ファミリーコンサート、イベント企画、音楽出版のスペシャリスト―ともしび音楽企画 特定非営利活動法人 日本青少年音楽芸能協会加盟
公演の報告・受賞

児童健全育成推進財団 児童劇巡回事業
ともしびパネルシアターコンサート
徳島県・香川県公演報告

2005.8.3~11

 

                  報告 田口順子


 児童健全育成推進財団主催の夏の巡回公演は、演劇や人形劇等、質の高い優れた作品をもつ劇団や音楽団体が毎年選ばれ、全国各地の児童館を公演しています。おかげさまで私たち音楽企画班もこの巡回公演を担当してから今年で6年目を迎えました。徳島、香川、滋賀県を担当することになり、前半8/3~8の期間、徳島(4ステージ)香川(4ステージ)を無事に終え、帰京しました。

【挑みの旅】

 今回の公演は、アコーディオン以外にキーボードを加えたり、修平さんのオリジナル曲「君がいたから」を導入するなど、常に新しいことにチャレンジした”挑みの旅”でした。 
修平さんの「君がいたから」は、導入当初ギター一本での弾き語りでしたが、連日公演していく中で行貝さんのトライアングルと私のキーボードを加えることにしました。複数の音色を重ねることで音楽にも深みが出てきました。ステージは生き物だとよくいわれますが、修平さんが我が子への想いを歌ったこの曲についても大いに実感しています。毎回演奏しながら聴いていると、その日集まった子どもたち、会場の雰囲気によって自分の心に響いてくる感情が同じということは一度もありません。歌を聴いて想像力をかきたてられた子どもたちが「あさ子ちゃんっていくつ?」と問いかけます。今は大人になって、元気に働きながら一生懸命子育てをしている長女あさ子さんの姿を重ねあわせ、熱いものがこみ上げてきます。
連日の、行貝さんからの次から次へとあふれ出てくる発想を土台にして、「いいと思うことはすぐ取り入れよう」と積極的に表現してしまう修平さんの努力と強い意志に刺激されながら、私もキーボード操作に四苦八苦しつつ、例年とはひと味もふた味も違った公演活動を送ることができました。

【徳島県にて】

 神戸から明石海峡大橋を渡り、淡路島を通り抜け、うず潮のうず巻く鳴門海峡を渡りました。今回スタッフとして同行したバトン班の間下さんは運転しながら「津軽海峡冬景色」のメロディで「鳴門海峡~」と歌っていました。名物のうず潮が良く見えるようにとスピードを落として橋の上を走ってくれる彼の優しい人柄を感じながら、晴れやかな気分でいよいよ徳島へ。
毎日30度以上の暑い日が続く中、8月3日、初日の鳴門市市場川崎児童館はとても小さな施設。裏庭には、さつまいもの葉が元気良く茂っていました。毎朝、家庭菜園でひと仕事してから出勤される館長さんは「このさつまいもも子どもたちと一緒に作っているんですよ。秋になったら皆で食べるのが楽しみなんでね」と気さくに話してくださいました。観客はわずか30名でしたが、3才から中学1年生までの子どもたち、そして大人は先生方の他にご近所のお年寄りが4、5名(最年長は84才の方)、猛暑の中を歩いてきてくださいました。年齢層は幅広かったのですが、幼児から大人までがひとつになって楽しんでくれました。日常的にも子どもと大人が良い関わりで生活していることが感じとれました。
公演後、玄関に送り出しに行ったら、おばあちゃん達が靴をはきながら「楽しかったよ」と声をかけてくれたのが嬉しかったです。最後に館長さんに挨拶をして失礼しようとすると「うちの弟がやっている寿司屋が…」と紹介してくださり、徳島最終日の昼食はこのお寿司屋さんに決定。


8月5日、吉野川市鴨島児童館。会場は町の文化研修センター。近隣の7つの児童館が集まるとのこと。町内外からの観客はほとんどが園児と小学生だが、乳幼児の親子連れも多い。開演十分前になっても、バス便の子どもたちはまだ到着していない。会場内では待つのに飽きてしまったのか、泣き出している子どももいました。公演前の雰囲気づくりということで、キーボードでBGMを弾くことにしました。赤ちゃん連れのお母さんを意識して私の好きな「童神」を弾いてみることにしました。繰り返し弾いていると「あ、この曲知ってる」という表情で何人かの若いお母さんや子どもたちが歌い始めました。体をゆらしながら微笑んでいるお母さんの姿もあり、ほんのちょっとした試みで場内を心地よい雰囲気に導けたことに自分でも発見と満足。でも本番はこれから…。バス便の子どもたちが落ち着いたところで入場口へ戻り、アコーディオンを抱え気合いを入れました。この日のステージの子どもたちの素直な反応、お父さんお母さんたちのあたたかい笑顔に包まれ、こちらも十分満足のできる公演でした。退場する子どもたちを送り出した後、修平さんが国立音楽大学の大学院で学んでいたという女性に「すばらしかったです。とても励まされました」と話しかけられていました。施設責任者の方からは「公演を拝見するまで、失礼ながら特に期待していたわけではなかったが、とても良かった。県内の関係者にも大いに勧めたい」とお誉めの言葉を頂きました。

【香川県にて】

 8月8日、初日は、さぬきこどもの国。東京で言えば「青山こどもの城」のようなところ。違いをいえば敷地面積が圧倒的に広い。ここは飛行場が隣接し、屋内からも色鮮やかなヘリコプターや飛行機を眺めながら遊べます。この日の観客は250人を越え、今回の公演で最も多い。普段あまりお目にかかることのない可愛らしい服のコンパニオンのお姉さんが「開演前のお約束」を子どもたちに話していました。
いよいよ開演、たくさんのお父さんお母さん、子どもたちの笑顔をエネルギーにして私たちも力が沸いてきます。パネルシアターの造形あそび「丸三角四角」では「お風呂屋さん」をつくってくれたお父さんに拍手。全員で「ドラえもん」を歌い出すと、2~3人の子どもたちが笑顔でぴょんぴょん飛び跳ね出したのを見て私もびっくり。


8月11日、香川での最終日。
多度津町にある四カ所の児童館から子どもたちが集まってきました。会場の健康センターは真新しい施設で、このような催しをするのが初めて。公演の後は全員でお弁当を食べたりミニ運動会も予定しているとのこと。コンサートの会場に各館の子どもたちが色違いの名札と体操服で、きれいなプラカードを持ちながら入場してきたことに納得。5才から小学校3年までの子どもたち160人が公演を楽しんでくれました。児童館によって子どもたちの個性があり、客席の下手側は元気の良い男の子たちがたくさん。「丸三角四角」の歌でアコーディオンを弾きながら近づくと「弾かせて!」と何人かが手を差し出してきました。伴奏者としてはステージ中のこんなやりとりもなかなか嬉しいものです。上手側の子どもたちは比較的シャイな感じ。手遊びの時には皆と同じようには手を動かさず、ただ下向きでかげんをみている男の子がいました。でも不思議なことに、「まるい卵」でヘビになった行貝さんの手がその子の頬にふれると、一気に緊張がほぐれたのか皆と一緒になって両手を動かし始めたのです。本当にこの人のパワーはすごい。「なめちゃんの魔法の手」なんていうお話を創ったらおもしろいかもしれない…。
香川県の公演にはともしび音楽企画代表の高柴さんが東京から二日間だけだが駆けつけました。仕込み中はキーボードから流れる音を聴きながら、何気なくかつ迅速に音響機材の改善処置を行いました。公演後には客観的で的確なアドバイスを皆に投げかけ、改めて「これが責任者の技か」と頭の下がる思いがしました。
この公演で舞台監督をしてくれた間下さん、最近では一人作品を創って意欲的に活動しています。年齢層や会場の雰囲気により曲順や内容が変わるこの作品に、大いに刺激を受けているようでした。公演後のダメだしも、ひと皮むけた指摘の数々に頼もしさを感じました。

【旧友との再会】

 香川県への移動の車の中で修平さんが「最近、音信不通になっているので心配だ」と話しながら携帯電話していました。結婚する前、修平さんの奥さんと同居していた元団員の川西はつ子さん(旧姓)が帰郷してこの近くに住んでいるというのです。やっと電話がつながり、翌日の丸亀市の児童館に差し入れを持って訪ねて来てくれました。何十年ぶりかの再会で、お互いに話が止まらない様子。まわりの皆も胸を躍らせ二人の話に聞き入っていました。

【ワークショップ】

 今回のワークショップは公演後に、子どもたちと大人に一緒に参加してもらい、パネルシアターの不思議を自分の目で見てさわって楽しんでもらう形式が多かったのですが、香川県のふたば保育園では、近隣の保育園の先生方が21名も参加された大人だけのワークショップでした。先生方の作品交流も交えながら、充実した時間を共有できました。先生方3グループの「七夕さま」「ねこのお医者さん」等のパネルシアターを拝見した後、行貝さんのパネル指導。彼女の想像力の豊かさで的確なアドバイスに先生方も「目からウロコ」で”もう少し工夫すればもっと良くなる”という確信に満ちた表情に変わっていかれたのが印象的でした。あっという間に一時間半近く過ぎてしまい、名残惜しそうに各園へ戻られました。
日常の保育の仕事だけでも大変なのに、それ以上の保育を目指して奮闘される先生方…。逆に ”心のゆとり”はそういうひたむきな想いから生まれるのではないだろうか。先生方、お元気で頑張ってください!!

 

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