町田のポプリホールで「啄木の歌碑を訪ねて〜小川邦美子コンサート」が、6月の10日に開催されました。
啄木の生涯をたどって、全国に134基あるという歌碑のいくつかを、小川が実際に行って撮った写真を紹介しながら、啄木の歌を歌い進めました。
歌集『一握の砂』の冒頭の歌
東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて 蟹とたはむる
「青い空は」の作曲でもお馴染みの大西進先生に、この歌の作曲をしていただきました。大西進先生の、親しみやすいメロディーの中にも、歌曲としての品格をもったとても素晴らしい曲です。
また、啄木の歌の中でもあまり知られていない歌〜
地図の上 朝鮮国に黒々と
墨を塗りつつ 秋風をきく
こんな歌もあったのですね。
この歌も大西進先生に作曲していただきました。朝鮮併合された時代、この歌を詠んだ啄木の心情に想いをはせながら、小川が歌いました。
そしてやはり『一握の砂』より、ふるさとへの想いを歌った〜
ふるさとの山に向かひて言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな
この歌は、新井満さんの作曲された曲で歌いました。
このコンサートの伴奏をしてくださるのは、ともしびではおなじみの、山田剛史さん(ピアノ)と、三ツ木摩理さん(ヴァイオリン)のお二人です。それぞれプロの演奏家として第一線でご活躍されています。このコンサートの第二部は、そんなお二人による演奏のコーナーです。
啄木とほぼ同時代に生きた瀧廉太郎作曲の『メヌエット』『憾(うらみ)』を山田剛史さんに演奏して頂きました。瀧廉太郎の情熱がほとばしるような素晴らしい作品でした。
『メヌエット』は、瀧廉太郎が明治33年に作曲した、日本で初めてのピアノ曲だということです。
啄木は、瀧廉太郎『荒城の月』を気に入り、歌詞を変えて子ども達に歌わせたそうです。
三ツ木摩理さんのヴァイオリンでは、ツイゴイネルワイゼン(サラサーテ)等を演奏していただきました。7分の大曲ですが、渾身の演奏を堪能しました。
そして第三部は、皆さんと一緒に歌う歌声喫茶の時間でした!
啄木の歌が好きという谷村新司の「昴」から、シャンソンまで、歌声喫茶らしい雰囲気で歌いました。
こんな盛りだくさんのコンサートでした。