1954年、東京新宿の食堂で自然にうたごえが響き、それは歌声喫茶ともしび(当時は「灯」)の誕生となりました。
戦後復興の生き生きとした息吹を受け、歌声喫茶は人々の希望と願いがこめられ、ステージリーダーと一緒に、みんなで歌い交わす歌声は生きあう力ともなりました。
東京だけでも20件ほどの歌声喫茶が生まれ、国民的ブームともいわれました。
その後閉店が相次ぎましたが、コマ劇場裏「灯」では、従業員達が、歌声喫茶を発展させよう!とお客さまのご支持をいただき、歌声喫茶の灯をともし続けました。
オペレッタ劇団の発足
歌声喫茶を存続発展させる活動は、オペレッタ(音楽劇)の創造やメーデーなど集会への出演活動としても展開されました。
1962年「灯」に集う演劇人、詩人等の協力を受け、庶民的な音楽劇を上演するオペレッタ劇団ともしびが発足しました。
子どもから大人までを対象とした公演活動がはじまり、現在は、全国で年間400回以上の公演活動を展開しています。
また、厚生省(現在厚生労働省)中央福祉審議会特別推薦文化財の指定を受けるなど、生で演じ歌い演奏するアンサンブルが魅力と高い評価をいただくようになりました。
自主運営の歌声喫茶の実現
コマ劇場裏「灯」の従業員達の奮闘と、歌声喫茶を愛するお客さまの力強い支援を受け、「あなたの街にも歌声喫茶を!」の運動の自主運営の店第1号店「亀戸灯」(後に小岩に移転)が1966年6月に実現しました。
その後、吉祥寺店(F&F伊勢丹ビルB1、後に立川に移転)、新宿店(区役所通り)が再建され、現在の新宿店に引き継がれています。
1970年代には、仲間の店として、長野「ともしび」、仙台の「バラライカ」、新宿の「家路」、大阪「ともしび」(梅田)が次々と開店しました。
音楽文化集団ともしびの結成
1969年5月、店で働くメンバーと店に集うお客さんによって、ともしびの音楽文化の創造、普及をその目的として音楽文化集団ともしび(通称団)が結成され、続いて長野でも団が生まれました。
当時、「ひとりぽっちの青年をなくそう」のスローガンを掲げ、青年たちに大きな影響を与え、たくさんのサークルがつくられ、青年たちの憩いの場、生き甲斐を発揮できる場となりました。
音楽文化集団によって店や劇団の運営がなされ、そして合唱団、アコーディオンなどの音楽講座が育っていきました。
現在、団員数は約120人となりました。2019年に結成50周年を迎えます。
ともしび音楽企画の発足
1990年、歌声の店をベースにしながら店という場所に縛られず、もっと多くの人々の中にともしびを広げていきたいと発足したのがともしび音楽企画です。
様々なコンサートや出演活動、CDなどの音楽出版を開始し、各地のイベントや、フェスティバルなどの企画制作活動に加え、1994年には、CD8巻セット「懐かしの歌声喫茶」を全国通販ネットで販売、大きな反響を呼びました。
また、歌声喫茶50周年事業として、「歌声喫茶の世界」CD10巻セットを2003年9月から大手通販ユーキャンで販売しています。
2008年に、ともしびとして初めて1000人の大歌声喫茶ライブDVD(2枚組)を発売。
又2000年からは、旅行会社との提携で海外歌声ツアーを始め国内歌声ツアーを、展開。
さらに出前歌声喫茶は、年間平均約200カ所で開催、全国各地の幅広い方々から好評を得ています。
株式会社ともしび
株式会社ともしびは、ともしびの音楽文化運動に、必要不可欠な事業活動を経営面で社会的にも責任を明らかにするために、1972年3月に設立しました。
この間、音楽文化集団ともしびとともに、多くの方々のご支援を受け、歌声喫茶ともしび、オペレッタ劇団ともしび、ともしび音楽企画、ともしび音楽講座の経営を統合し、この事業活動を果たしてきました。