海外ツアー

瀋陽・鉄嶺・ハルピン・大連  中国東北うたごえの旅 2010年 9月16日(木)~19日(日) 3泊4日 もしくは2010年9月16日(木)~23日(木) 7泊8日

司会 津田伸子 伴奏 田口順子 が同行!!

瀋陽・鉄嶺・ハルピン・大連  中国東北うたごえの旅

★Aコース 瀋陽・鉄嶺・瀋陽  2010年 9月16日(木)~19日(日) 3泊4日
★Bコース 瀋陽・鉄嶺・ハルピン・大連 2010年9月16日(木)~23日(木) 7泊8日

企画・主幹:社団法人日中科学技術文化センター/協賛:株式会社ともしび
     旅行企画・実施:株式会社二十一世紀旅行

初めての中国で考えました      津田伸子

今回で三回目となる中国東北うたごえ交流ツアー。九月十六日から二十三日までの七泊八日間で四都市を巡り、大いにうたごえを通して交流を深めるとともに様々な所を案内していただきました。それは中国初体験の私にとってはとても刺激的で、中国の歴史と現在、そして日本との関わりをとても考えさせられました。

地図を見れば一目瞭然のことなのですが、まずその途轍もない大きさとエネルギーを実感して圧倒されました。今回主に旅した遼寧省を含む東北四省だけで日本の総人口に並ぶのです。バスや新幹線の車窓から望んだ大平原。都市部ではそこかしこが工事中です。鉄嶺は元は穀倉地帯で、平らな土地にどこまでも畑が広がっていたそうです。そこが現在海外の企業も誘致しての一大商工業都市に生まれ変わりつつあります。上海万博で唯一紹介された国内の都市ということでしたが、わずか数年でこんなことをやってのけるパワーがすごい!瀋陽の故宮も見学して日本とはスケールが違うと感じましたが、万里の長城や兵馬俑も広大な国土とともに桁外れの人的資源無しには考えられません。

そして一人一人がまたパワフルです。朝は五時頃から公園や広場に人が集まってきます。思い思いに太極拳や体操、後ろ歩き等々しています。夕方の公園も賑やかです。音楽を楽しむグループもあれば石の床に水を含ませた長い筆で書の練習に励む人もいます。朝から晩までどうしてそんなに元気なんでしょう?娯楽にも手を抜かないという意気込みを感じます。瀋陽、ハルピンの老幹部学校(リタイヤした幹部が集うカルチャースクール)大連の文化交流センター(こちらもリタイヤ組)の方たちとうたごえ交流で大いに楽しみましたが、その元気で若々しいことといったらありません。歌あり踊りあり、ファッションショーまであったのですから驚きです。ハルピン、大連ではプログラムが用意され、衣装もばっちり整えての大発表会のようでしたから、終始圧倒されっぱなしでした。

見た目はよく似ているのにやっぱり違うなあと感じた中国。でも違うってことはちっとも悪いことではないはずです。一対一、人対人なら歌い合うことで、言葉すら通じなくても握手ができるのに、国対国だと何故無益な対立や争いが生まれるのでしょう。

瀋陽で最後に訪れたのは「九・一八記念館」でした。一九三一年九月十八日に起こった柳条溝事件に端を発した満州事変の歴史資料館です。関東軍の謀略と戦わず侵略を許したことを国の恥とし、決して忘れないために様々な資料が展示されていました。まさにその日十八日に訪れたため、館内は団体も多く人で溢れていました。中国の人たちに混ざってかつて日本人が行った残虐な仕打ちを目の当たりにするのは、とても複雑で居たたまれない心境でした。でも目を背けないこと、知ることが歴史を受け継ぐ者の責任だと思います。単に私の勉強不足の側面もありますが、「九・一八」と言われてもピンと来ない日本人は私の他にもたくさんいそうです。着いた日のテレビでは特集番組が流れていて、日本で言えば広島・長崎と同様の重さが感じられました。胸を突かれる思いでした。私にとって日清戦争や満州事変のことはこれまで教科書に書いてある数行のことでしかありませんでした。南京大虐殺も七三一部隊(今回ハルピン郊外の実験所跡を見学しました)も知ってはいました。でも、あの時一緒に楽しく歌った人に繋がる誰かに、私に繋がる誰かが理不尽な仕打ちをしたかもしれない。これはそういうことなのです。そう考えると悲しくて悔しくてたまりません。

そもそものこのツアーの仕掛け人で、今回も参加者をぐいぐい引っ張ってくださった米山さん。ともしびでも愛唱されている「草原情歌」を日本に紹介した「中国音研」の一員でもいらしたツアー団長の韓先生。三度の中国ツアーを付きっきりでサポートし、中国の歴史から現在までを豊かにガイドしてくださった南先生。お三方とも日中・中日友好のために各々の場で長年尽力してこられた方たちです。ツアー中折々に聞かせていただいた様々なお話の奥には、両国を等しく大切に思う心が太く流れているのを感じました。ツアーは折しも尖閣諸島問題紛糾の真っ直中でした。今後の成り行きを案じながら思ったのは、これまでにこういう無数の山や谷があっても、諦めず辛抱強く交流を積み重ねてきた多くの方たちの思いと努力の上にこのうたごえ交流ツアーがあるということでした。

前述のお二方始め、バラエティー豊かで暖かいメンバーに恵まれて意義深いだけでなく楽しい旅になりました。交流の場では歌に踊りにマジックにとみなさん大活躍で、私はどんなに助けられたことか。ありがとうございました。第四回が企画される折りには、更に多くの方に是非参加していただきたい、そして新しく中国と出会っていただけたらと念じています。

 

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